なぜ解剖を見るのか。
身体に触れる時に想像すべきこと、その精度を上げるため。
自分の手の下で起きることを、ありありとイメージし、手のひらに透視能力を備える。
身体に触れた時に起きうる可能性を把握する。
それは触業従事者としての責任感とも関係している。
(以下、解剖に関するお話しなのでご注意ください。)
数年前に実際にアリゾナの筋筋膜解剖実習に参加させていただき、人体の構造を自分自身の手に持ったメスで組織を切り分ける作業を5日間続けた時、逆に実感したのは「身体の全てはつながっている」ということ。
そして目の前に横たわったご検体は単なる肉体ではなく、かつてはそこに「心と身体のつながりを持っていた存在である」ということ。
そのことを心の底から尊重し、感謝しながら、身体の仕組みを見せていただく。
この5日間、トーマス・マイヤース とトッド・ガルシアによる解剖のライブストリームに参加していました。
今回もレオナルド・ダ・ヴィンチの時代と同じように、薬品固定されていない御検体での解剖という、大変貴重な経験。
あの時は目の前の作業に集中していて、当然メモもできず。
あらゆることを目に焼き付けられるように願いながら過ごしていたけれど、見落としたこともたくさん。
知らない筋肉や組織もたくさんあり、自分の知識のなさゆえの理解不足な後悔も。
そんな取りこぼしを余すことなく掬いとってくれた今回のライブストリーム。
「メスが通るところに注目しなさい。そこが動きが起きているところだから」
時に自分の身体に触れたり動かしたりしながら、時に自分の行っている施術の意味に思いを馳せながら、画面を見つめる。
浅筋膜を含む皮下組織の厚み、そしてそれぞれ違う筋肉の厚み。
股関節や肩関節周辺の深層筋の位置関係。
腎臓や心臓が丁寧に包まれている様。
筋の動きと神経の動きの連動性。
腋下の筋肉の構造から体側にかけての構造を見飽きるほど見れたのは本当に良かった。
他にもここには書き切れないほどの、たくさんの情報が目になだれ込む。
エフルラージュで圧をかけるならば、それは皮膚のみならず神経系や血管全て、その圧の深さによっては深筋膜や筋肉にまで刺激が及ぶことを忘れてはいけない。
ムーブメントやストレッチをすると、関節に付着する全ての組織が動いている。
組織の厚みを考えると、ディープティシューは、「深いほぐし」と言うよりは「感覚の呼び覚まし」と言ったほうが正しいのかもしれない。
この身体のつながりを目の当たりにした上で「私にできることは何か?」と自分に問いかけ続ける。
トッド・ガルシアの溜息が出るほど天才的なメスさばきを見つめ続け、トーマスのコメントに耳を傾け続けた5日間。
この地球上で生きる受け皿であり、土台である肉体。
だからこそ、肉体に対するアプローチはとても意味があること。
しかし、肉体を単なる物質と扱うのではなく、ソマティックでスピリチュアルな存在として尊重して触れる。
そんな「世界一美しい筋膜リリース」を目指せたら。
この貴重な機会を提供してくださった Kinetikosの皆さん、トッド、トーマス、そしていつも完璧な通訳をしてくれる香織さんに感謝!
■ヴァイタル・タッチセラピー
8月のご予約可能日
24日、26日、27日、29日、30日
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